yuko shimizu web portfolioから、次の作品(翻訳)。
☆☆☆
「シャム双生児のセーター」 僕たちが小さかったとき、妹と僕は冬が好きでした。
冬ごとに、お母さんが私たちのために新しいセーターを編んでくれたからです。
特に人々が僕たちに奇妙な視線を向けた時、
僕たちがほかの人たちと異なる存在だと言うことに気がつきました。
けれども彼らは、
僕たちの境遇がどんなに素敵なことか、理解できるでしょうか。
いつでも抱き合うことができることや、
いっしょにお母さんに抱きしめてもらえることや、
いつも僕たちがいっしょにいられることや。
ひとりになる必要なんてないよね?
ある冬、お母さんは言いました。
「これがあなたがたふたりに編む最後のセーターよ」
まもなく、病院に連れて行かれました。
今まで僕たちはお互いを遠くから見たことがありませんでした。
僕たちが成長するために、
僕たち二人は別々になる必要があったのです。
そう、その日から、僕たちは作りものの二本の腕と、
ふたつの傷跡と、二着のお揃いのセーターを与えられた。
それから僕たちが奇異の目で見られることはなくなりました。
でもお母さんを同時にハグすることは難しくなりました。
ある朝、妹は血を流していました。
でも彼女は死んでいませんでした。
「心配しなくていいのよ、病気じゃないのよ」と
お母さんは言いました。
その日から、僕たちは別々の部屋で寝ることになりました。
そしてまもなく、僕たちは別々の学校へと旅立ちました。
再び冬が来ました…。
クラスメートが僕の噂をしています。
彼女たちは僕が両腕で人を抱きしめると言う単純なことすらできないのを知っているでしょうか。
お母さんからの荷物。
僕はただ彼女に会う必要があった。
彼女は待っていました。
「私、きっと来てくれるって解ってた」
「おかあさんがセーターを送ってくれたよ」
「それは僕ひとりで着るには大き過ぎるよ」
そう、それは僕たちふたりで着るのに、ちょうど良かったのです。
☆☆☆
ふたりで一人だと言う愛情。
そしてそんな子を持ったお母さんの愛情。
- 2006/02/06(月) 01:17:25|
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Yuko Shimizuさんの
Twelve is a Beautiful Number 哀しくも美しい物語。
以前から好きな作品だった。
ここに翻訳を掲載致します。
直訳ふうなのは英語力過小の為とお赦しあれ。

「12は美しい数字」
夏が私を最も泣かせた。
暑い夏の日々の大きいミトン(手袋)。
どうぞ、私を笑って。 けれども私は外さない。
ミトンをはめ始めたその日をはっきりと覚えている。
「10まで数えることを勉強しましょう、指で数えながら」
「1、2、3、4、5」
「6、7、8、9、10」
「11、12」
(私だけ、12まで数えることができた。
皆が振り返って私の指を見た。)
私は幼稚園に行かなくなった。 私は手袋をはめ始めた。
私の指はあの子の尖った耳やあの子の長い首とどう違うの?
私はおとなしい子供になった。
おとなしくさえしていれば、皆に煩わされることもない。
私は決して手袋を外さなかった。
まもなく、自分が大変上手にピアノを弾くことができることを悟った。
私は毎年毎年、昼も夜も、何時間も何時間もピアノを弾いた。
それが手袋を外した唯一の時だった。
音楽学校でトップになるのに私に長くかからなかった。
ある日、私は一人の少年に出会った。 彼は言った。
「僕は君の弾く曲と恋に落ちたよ」
彼は目が見えなかった。彼は私の恋人になった。
彼はバイオリンを誰よりも上手く弾くことができた。
「目が見えないからこそ、見えるものがあるよ」
と彼は言った。
私の指が12本だからこそ、感じることができるものがあるだろうか?
拍手の中で、私はふと我に帰った。
私はここでなにをしているのだろう。それは全部、私の指のためだった。
存在しない私のためだった。
(拍手の中、彼は花束をくれた。私は手袋を外し、彼に指を触れさせた。
彼はなにも言ってはくれなかった。言えなかったのだと思う。
私の演奏が、才能ゆえではなく、ただ指が2本多いせいだったから。
私は手袋をするのも忘れて、その場から泣きながら去った)
(指を切ってそのお墓をつくった)
私はピアノを弾くのをやめた。 彼が訪れても、誰が来ても、私は誰にも会わなくなった。
時は静かに過ぎてゆき、誰もが私のことなど忘れることでしょう。
(指を切ったところから木が生えてくる絵)
私はピアノに戻ることに決めた。
自分がほかの人より上手いからではなくて、弾くことが好きだから。
その次の108日の間、私はピアノの前にずっと居た。
私はもう手袋をはめない。
どうぞ、私を見て、私はかまわない。
私は彼に会った。
彼に私の指を触れさせる。
ただ彼だけが見ることができるものがある。
ただ私だけが感じることができることがある。
そして私たちはさようならを言った。
夏はもう私を泣かせることはない。
夏が私をもう泣かせない。
私はまだ12まで数えることができる。
12、それは美しい数字。
☆☆☆
人と異なること。違うこと。
それは美しいこと。愛すべきこと。
- 2006/02/05(日) 01:15:51|
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